不規則な食生活を改善
女性に多いお悩みの一つがお通じのこと。
もともと、腸の運動が活発でないかたがいらっしゃるのは事実ですが、それが、その人本来の体質なのかどうかはわかりません。
そういう意味では、「私は便秘体質だから仕方ない」と、さっさと諦めてしまうのは、もう少し先にして、色々と便秘解消に取り組んでみるのがいいと思います。
便秘の原因は様々で、ひとつの原因、あるいは複数の原因が重なって起こっていることもあります。
実は、ただ食べるものを少なくするようなダイエットでも、それが便秘の原因になっていることがあり、それを自覚せずに、せっせとダイエットを頑張っているかたは、「ダイエットしているのに体重も減らないし、おまけに便秘も治らない」なんていう本末転倒のような状況に陥ることもあります。
まずは、栄養バランスを損なわない食生活が便秘解消の第一歩です。
腸内環境を改善する食材ベスト5
以下の5つの食材は、腸内環境を整え便秘改善に良いとされています。
これらの食材を含んだ食事をバランス良く摂ることが、便秘改善につながりますし、結果として、ダイエットもスムーズに効果がでるようになります。
- 食物繊維
- 発酵食品
- 植物性油
- マグネシウムを含む食品
- オリゴ糖
食物繊維
不溶性食物繊維
水に溶けない食物繊維で、吸収されないままで大腸まで到達し、水分を吸収するので膨らんで便のカサを増し、腸を刺激します。
その影響で腸のぜん動運動が活発化し、便通を促すのです。
不溶性繊維を多く含む食物は、モロヘイヤなどの葉物野菜、豆類(インゲン、大豆、グリーンピース等)、ごぼうなどの根菜類や、きのこ類、ドライフルーツ、ナッツ類、そして抹茶やココアなどもです。
腸のぜん動運動が弱くて便秘になる方は、「不溶性」の食物繊維を多く摂ることが便秘解消に効果があるとされています。
水溶性食物繊維
水に溶けるタイプの食物繊維です。
便を軟らかくする効果があるため、便が固くなりがちな方はこの「水溶性」の食物繊維を摂ることが良いとされています。
また、腸内の善玉菌を増やす効果もあります。
水溶性食物繊維を含む食べ物としては、海藻類、こんにゃく、アボガドなどの熟した果物類、粘り気のあるオクラやなめこといった野菜や、きのこ類になります。
りんごやみかん、ニンジンやキャベツなども水溶性食物繊維が多く含まれます。
どちらの食物繊維も必要
便秘解消にはどちらの食物繊維も必要なのです。一般的に、この二つの食物繊維は不溶性食物繊維2に対して、水溶性食物繊維1の割合が良いと言われます。
どちらも含む食べ物として、「納豆」、「オートミール」、「果物」などが理想的なバランスで含んでいます。
発酵食品
発酵食品に含まれる乳酸菌の作用としては、腸内を弱酸性にし、有害な腸内の悪玉菌増殖を抑え、善玉菌を増やす効果があります。
多くの人は、加齢によって悪玉菌が優位な状態になることが多く、バランスの取れた食事も欠かせないのですが、それに加えて、外からの乳酸菌をたくさん摂り入れて、腸内の善玉菌を増やしていき、より良い腸内環境を保っていくことが必要になってきます。
植物性の乳酸菌を多く含む食材
ぬか漬け、味噌汁、キムチなど。
動物性の乳酸菌の主な食材
ヨーグルト、チーズなど。
とくにビフィズス菌を含むタイプのヨーグルトは、高い整腸作用があります。
オリゴ糖は善玉菌のエネルギー源
オリゴ糖は腸内の善玉菌の大好物で、オリゴ糖をエサにして元気になった善玉菌は、便秘を解消したり、腸内環境を良くしたりします。
オリゴ糖を続けて摂取することで、腸内環境は良くなり免疫力がアップ、お肌がキレイになるなど、いいことづくめかも知れません。
また、オリゴ糖はヨーグルトや寒天、食物繊維と一緒に摂るとより効果的なので、そういった組み合わせの食事を心がけるといいでしょう。
オリゴ糖を含む代表的な食材
玉ねぎ、ゴボウ、バナナ、キャベツ、大豆、トウモロコシ、果実類、しいたけ、アスパラガス、にんにく、海藻類。
味噌や醤油などの発酵食品にも含まれています。
良質な植物性油は腸を刺激する
便秘改善に良いとされるのは、植物性油のなかでもオリーブオイルです。
オリーブオイルにはオレイン酸という成分が含まれ、腸に届くと、ぜん動運動をうながしますから、潤滑油の役割を果たて便の通りを良くする作用を促します。
サラダや副菜に大さじ1杯程度をかけることで、その効果を手軽に取り入れることもできます。
マグネシウムが便秘にいい理由
マグネシウムは、酸化マグネシウムが市販の便秘薬の代表成分の1つにもなっているほどで、便秘の改善に効果があるとされています。
便秘が慢性化しているかたは、水分補給をしてもほとんどの水分が腸に吸収されるため、便が水分を吸収することができないでいます。
そこで、日頃から、水分とマグネシウムを含む食品をあわせ摂ることで、便秘の慢性化を防いでいくことが大切です。
マグネシウムには水分を吸収する働きがあり、一度吸収した水分は腸壁に吸い取られることなくそのまま便を柔らかくし、膨張させることで腸が優しく刺激され、ぜん動運動を活性化させて便秘を解消させていきます。
ダイエット時の水分補給には「コントレックス」と言われるくらい、愛飲するモデルも多いミネラル水ですが、実はこの水はマグネシウムをとても含んでおり、飲みすぎると、お腹を壊してしまうほどの作用があります。
コントレックスは、各種のミネラルを多く含む超硬水で、とてもクセがあり、飲むのは無理というかたもいらっしゃいますが、この水を飲むとマグネシウムが腸に働く作用をとても実感できます。
モデルさん達の中でも、整腸作用を考えて、コントレックスを愛飲しているかたがとても多いのです。
ただ、誰もかれもにコントレックスをお薦めはしませんので、そこは自己責任でお願いします。
ただ、マグネシウムは摂りすぎると副作用があり、通常はマグネシウムを多く含む食品を選んでいただくことが大切です
マグネシウムを含む代表的な食材
あおさ(素干し)、あおのり(素干し)、干しえび、さくらえび(素干し)、ひまわりの種、(フライ)、ごま(いり)
勘違いしないで下さい
普段の食事を改善しないままでいる
「私、いつも腸にいいもの食べてるから、大丈夫」と思っていらっしゃるかたも多いとは思いますが、間違った摂り方をされている人も、たくさん。
腸にいいもの、便秘改善に効くものをお伝えしましたけれど、普段の食事をまったく変えないで、プラスαで腸に良いものをとっても便秘は改善されません。
例えば、お肉を頻繁にたらふく食べている人が、「でも、食事のあとで必ずヨーグルトとか腸にいいものを食べているから健康的」と言っている人がいますが、これでは何の効果もありません。ただのいいわけに近いかも知れません。
こんな食生活変えないままで便秘解消?
- 砂糖がたっぷり入った菓子パンやお総菜パンをいつも食べてるパン好き女子。
- 本物の発酵食品や生野菜が少ない外食、あるいはコンビニ弁当中心の食生活男女。
- 朝は活動のエネルギーが大切だからと、砂糖がたっぷり入ったグラノーラに甘いヨーグルトで、今どきの朝食。
- ランチはハンバーグと甘いデニッシュ。食後は砂糖たっぷりのカプチーノ。
- おやつは、生クリームたっぷりのケーキ、アイスクリーム、バターたっぷりのサクサククッキー
食べる量を控えているのに痩せないと嘆いている女子には、こんな食生活のかたが多いのです。
ダイエットでの食事は、量より質の問題と心得ましょう。
悪玉菌に、たくさんエサをあげていませんか?
名前が「キムチ」であれば全てがいいわけではない
便秘改善や腸に働きにいいと思って食べているものでも、実は悪いものがあります。
ヨーグルトはいいと言いましたが、同じヨーグルトでも、甘味料の入った甘いタイプのものを食べて腸にいいと思っている人。
ぬか漬け、味噌、キムチなどの発酵食品がいいと聞いて、食品添加物や合成保存料を多く含むものをスーパーで買って食べている人。
そういう食品は、発酵食品としての役割を果たすどころか、添加物や保存料が体に負担をかけたりする、ニセ発酵食品かも知れません。
腸内改善はシンプルな食事で
スーパーに行くと物が溢れかえっています。
商品には、「体にいい」、「お腹に優しい」などのキャッチコピーが印刷されて、つい手を伸ばしてしまいそうになります。
でも、腸を健全に整える食事って、実は難しいわけではなく、もっとシンプルではないかと思います。
腸内に住む善玉菌のエサとなる発酵食品、食物繊維、オリゴ糖などを普段の食べ物から摂取していく場合・・・。
- ご飯にお味噌汁(無添加のオーガニック味噌など)
- 食物繊維をしっかり含む新鮮な産直野菜の煮物
- 獲れたての海の幸
- 添加物の入っていない漬物(できれば、自分で作ったものや、日持ちはしないけれど、添加物のない伝統的な方法で作られたもの)
結局は、日本人が昔から大切にしてきた自然の恵みをそのままいただく日本食に、腸内改善の大切なポイントがあります。
あなたの体は何を食べているかの証拠
あなたの今の体は、全てあなたが食べたものでできています。
姿見でもあれば、一度、しっかり見てみましょう。
腰、お腹、お尻、太もも、ふくらはぎ、浮腫んだ顔。
そして、荒れた肌、思うようにスッキリしないお通じ・・・
それは、今まであなたが食べたものの積み重ねによって出来上がった体です。
「からだは、食べものでできている」
このことを忘れないようにしたいものです。
腸内美人は肌が綺麗とよく言われます。
腸内美人になれば、きっとダイエットもスムーズに進むはずです。