昔の日本人が痩せていた理由
昔の日本人は、穀物と根菜類を中心とした食事が中心です。
白米は今のように食べれる機会はなく、芋類やまずい穀類の粟(あわ)や稗(ひえ)、あるいは大根などの野菜を代用していたと言います。
そして、海の近くでは、魚や貝類、海藻なども。
山間部では、少量の川魚が食べれても、冷凍での運搬手段がないために魚介類は干物。
そういう食環環境であったために、塩分の高い干物や塩漬け、酢の物、そして漬物などの長期保存可能ものをよく食べるようになり、塩分を摂りすぎる傾向になったものだと思われます。
ですから、昔の日本人は肥満が少なかったと良く言われますが、ホントのところは、太れるほど豊かな食生活ではなかったということです。
和食が塩分を多用する理由
和食の特徴は、「食材のうま味」を引き立たせることにあり、そのためには塩分が絶対に欠かせません。
塩を使うことによって、人はうま味をより強く感じます。
それは、2種類以上の異なる味を一緒に口にすると、一方、またはお互いに味を強める現象で、スイカに塩をふると甘みを強く感じますが、それと同じ理屈です。
- 塩漬けは長期保存を叶える調理法
- ほうれん草をゆでる時は、色を鮮やかに見せるために塩分を使う。
- リンゴなど果物の変色防止
- 焼き魚ではうま味を閉じ込めるために塩を振る。
- 麺類は塩でコシを得る。
このように塩は、和食にとって調理での多様な役割を担っています。
また、主食のご飯に合うように、主菜の味付けは濃くして、副菜には漬物などの塩蔵食品、そして、味噌汁やお吸い物などのの汁物を必ず付けます。
また、醤油をかけたり、つけたりすることの多い食べ方をするのも特徴で、こういった積み重ねにより、和食での塩分の摂取量が高くなった理由であろうと考えられます。
よく、昔のダイニングテーブルに必ずおいてあったものが、お醤油と食卓塩、そして七味とテーブル胡椒くらいであったことを考えれば、頷けます。
栄養バランスが優れた和食
和食は塩分が高い反面、栄養バランスという点では、間違いなく優れた食事です。
言いかえれば、「栄養バランスが優れている=ダイエットにとても向いている」ということになります。
そのバランスの良さに以前から気づいていた世界中のセレブが、和食をダイエット食としても取り入れています。
気づいていないのは、本家本元の日本人かも知れません。
和食は「一汁三菜」と言って、ご飯に汁物、それにおかず3品(主菜1品、副菜2品)が基本です。
「一汁三菜」の良さは、暴飲暴食を防ぎ、バランス良く栄養を摂取できる食べ方です。
その、バランスの良い日本食を忘れ、欧米型の食事がどんどんと浸透している中、インスタント食品を食べることもあたりまえになっていますので、更に高塩分、高カロリーとなって、和食中心のときには見られなかった欧米型肥満体型の方が日本でも増えるようになったというのが、事実かと思います。
和食でダイエット
和食ダイエットの方法をお伝えします。
基本の考え方ですが、"3回の食事を和食に変える"ことが望ましいです。
忙しい外食サラリーマンでも、昼食は定食屋を選ぶ、お弁当派の女子はおかずに和食の要素を多く取り入れることが大切です。
朝食編
朝は時間がないと焦る気持ちが先にたって、朝食を抜くかたも多いようです。
また「朝は食欲がない・・」と言われる方は、睡眠不足であったり(ダイエットには十分な睡眠が大切です)、前日の夕食で脂っこいものをたくさん食べているのが原因であると言われます。
なので、朝にお腹が空いて何かを食べたいという気持ちになる方は、健康でバランスの良い食事ができている人だと考えていいでしょう。
朝食のポイントは、温かい炊き立てご飯と汁物、そしてダイエット向きでないと思われる揚げ物を食べるなら朝食です。
朝は、一日の活動がこれから始まるので、消費カロリーも多く、脂肪が蓄積しにくいため、高カロリーなものを朝食でいただいて下さい。
しっかりと、栄養を摂るのが朝食です。
昼食編
昼食は、働いている方であれば、限られた1時間の昼休みの間に食事をとるかたも多く、つい、手軽に早く済ませてゆっくりしようと考えます。
外食が多いから、なかなかダイエットできないと思いがちですが、外食でも定食を提供しているところであれば、メニューによっては、しっかりとダイエットに繋がる物もあります。
また、定食を提供しているお店によっては、自分でトレイを持って、主菜を一品選んだ後、副菜を2品選び、最後に汁物とご飯をもらうという提供のしかたをとっているところがあります。
ご飯も少なめもお願いできます。
そういうお店の食事であれば、十分に栄養バランスや量を考えて、ダイエットにつなげる和食を頂くことができます。
また、一品もので済ませたいという方であれば、うどんより、お蕎麦です。
お蕎麦は外食の中でもかなり低カロリーで、栄養素も豊富。
ただ、お腹が空きやすいというデメリットがありますので、単なるざるそば、やもりそばにするのではなく、ボリュームのある山菜そば、やきのこそばにしたり、ごはん少な目がお願いできるなら、ご飯物と一緒の定食などで頂くという工夫をしましょう。
お蕎麦だけでもいいのですが、お腹が空いて、間食をしてしまった、あるいは、夕食でドカ食いしてしまったになっては、なんの意味もありませんから。
夕食編
夕食は、時間にもゆとりがあるため、多くの人が食習慣から過食してしまいがちですし、そこにお酒が加わることも常です。
また、夕食は一日の疲れやストレスを癒すという目的もあるでしょうから、気持ちとしては好きな物をたっぷり食べたいと思います。
しかし、ダイエットにとっては、夕食に何を食べるかが、とても重要なポイントになります。
ダイエット中の夕食は今までと意識を変えてヘルシーなメニューで、かつ栄養のある食事に変えて下さい。
夕食では、油を多用する炒め物や揚げ物を避け、刺身や煮魚などをメインいただきます。
また、夜はカロリー消費が低く、眠っている間に脂肪が蓄積されますから、そのため夕食に食べた物は脂肪になりやすいと考えられ、低カロリーの物をいただくよう心がけて下さい。
海藻類やきのこ類、野菜やこんにゃくなど、油を使わずに調理した物をいただくのがいいと思います。
その中でも、野菜はふんだんに取り入れて下さい。
お野菜やキノコ類を使ったお鍋も最適です。
また、夕食で肉を食べてはダメということではなく、主菜にせず副菜として少量にするとかで、食べ方と量の工夫さえあればいいのではないかと思います。
理想とするポイントは次の通りです。
- 400kcal以下の内容で20時までにいただくことがベスト。
- 野菜が先、次に主菜や副菜、そして、ごはんの順。
- 22時以降は控えめメニューで穀類、たんぱく質、野菜、きのこ・海草類をつかう。
3食での栄養バランス
夕食はがっつりというかたが多いのが現実だと思いますが、ダイエットでは、朝食で一日のエネルギー源となる栄養素をしっかり摂って、夕食はヘルシーにすることが必要です。
一日3食での栄養バランスは次のとおりです。
- 朝食:ごはんやパンなどの炭水化物
- 昼食:肉や魚、卵などを使った料理
- 夕食:野菜中心の消化のよいヘルシーな料理
最後に、今の時代で、いきなり、毎日の3食を和食に変えることなど無理かも知れません。
今日だけはすべて和食にする。
あるいは、夜は必ず和食で、というように、段階的に慣らしていくことで、和食を自分の食事スタイルとして当たり前にしていくやりかたのほうが、上手くいくでしょう。